野鳥撮影5年目突入、夫婦で鳥見奮闘記。目指せ日本で300種類


by atekichi
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本邦3例目(ミナミクイナ)

こんばんは

昨年9月に行った奄美大島で驚きの出会いがあったと書きましたが、やっとこ紹介できるようになりました。

「奄美の野鳥30」の記事で書きましたように、奄美大島旅行6日目の朝、「ヒクイナ」を探しに早朝の田園へ行ったときに出会いました。

まだ薄暗く誰もいない田園で「ヒクイナ」を探しはじめて1時間、諦めかけていたとき運転席側の水田で小さなクイナ類を見つけました。

見た瞬間に、自分達がまだ見たことのないクイナ類だと分かり、すぐに相方に知らせ夢中でシャッターを押しました。

さすがクイナ類だけあって、そそくさと稲穂の中へ姿を消し、稲の葉があるためピントがいまいちのまま、数枚だけ写真に収めることが出来ました。

さらに助手席に座っていた相方からは、かなり撮りずらい位置だったため相方の写真も・・・

手持ちの「奄美の野鳥図鑑」で確認するも載っておらず、珍しいクイナじゃないかと思いながらも、もしかしたらヒクイナかシロハラクイナの幼羽かもしれない(幼羽は成鳥と模様や色が違う場合が多いため)とネットを駆使するもなんだか違うような感じ。

その場ではそれ以上分からなかったため、夜に「NPO法人奄美野鳥の会(8時間バードウォッチングツアーのガイドさん)」に連絡をとり、確認して頂くことに。

ドキドキしながら写真をみせると、まずはヒクイナやシロハラクイナの幼羽ではないとのこと、今の段階では詳しく判断できないが、一番近い「クイナ」の幼羽じゃないかということになりました。

私達は「クイナ」を見たことがないので、「クイナ」であっても初見ですので嬉しいのですが、何度見返しても「クイナ」とは違うような気がしてモヤモヤしていました。(私が、クイナではなくもっと珍しいクイナだとずっと言っていたので相方はちょっと呆れ気味でした)

旅行から現実世界へ戻りまっさきにしたのは「日本の鳥550 水辺の鳥」という愛用している図鑑でクイナ類の検索でした。

すると「ハシナガクイナ」というクイナに似ています。この図鑑によると「日本では2007年10月14日に沖縄本島で観察・撮影」とかなり珍しいとのこと。

すぐにネットで調べるとハシナガクイナは別名ミナミクイナとも言われるそうで、どうやら日本では2007年沖縄と2010年宮古島にて観察されているみたいでしたが、写真が各個体1枚づつしか見当たらず、詳しい情報が一切ありませんでした。

たぶんハシナガクイナじゃないかと思ったのですが、思い込みと言うのがありますので、地名など詳しい情報は載せずにとある所で質問してみたところ「ハシナガクイナ(ミナミクイナ)」であるとの回答を得ました。この方が言うには本邦4例目とのことでした。

かなり興奮しましたが、種を確定するにはどうしたらいいのか分からず、またまた「NPO法人奄美野鳥の会のガイドさん」に連絡してみました。

すると、手っ取り早いのは地元新聞や野鳥雑誌に投稿することだが、これらのことを行ったからと言って正式な記録になるわけではないため、可能ならば論文として正式に発表することが望ましいとのことでした。

・・・なんだか面倒くさい話になってきました。論文なんて仕事以外で書きたくない(仕事で書くのもあれなのに)!!!!というのが率直な感想でした。

職場の上司にこのことを言うと「せっかくなんだから書いてみれば? この先子供が出来たら将来自慢できるよと」いわれ、しぶしぶ書くことに。

しかし奄美野鳥の会方に聞いたところ
「最も権威のあるのは鳥学会や山階鳥類研究所、あるいは日本野鳥の会の研究誌「Strix」などがありますが、いずれも研究者等の成果を発表する場ですので、ちゃんとした論文形式を伴なければならず、結構敷居が高いようです。」

とのことでした、野鳥の論文なんて書いたことありませんし不安はありいましたがとりあえず色々調べると、素人でも頑張れば出せるらしいのでチャレンジすることに。

論文を書くにあたり、いろいろ資料を探したのですが4例目だと思っていたのですがどうやら3例目とのことで(やったー銅メダル!)、ミナミクイナ(現在はハシナガクイナとはいわずミナミクイナ)の情報が無さすぎます。

学生時代英語の偏差値37の私がなんとか海外の情報をかき集め、昨年10月に初投稿にいたりました。三回の査読をへてようやく、2013年2月12日に論文の受理が正式決定いたしましたので、ブログにて紹介することが出来るようになりました。(長かった~)

とんでもなく長い記事になりましたがその記念すべき子がこちら


「ミナミクイナ」251種類目
EOS 7D+EF400mm F4 DO
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EOS kissx2+EF70-300mm F4-5.6L IS USM
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今回、珍鳥をみつけ、かつ論文を書いてみていろいろ学ぶことが多かったです。

まず珍鳥と呼ばれる野鳥を自分が見つけた場合、友人や鳥見仲間に情報を教えたくなるでしょう。

しかし、一度流れた情報はネットなどを通じまたたくまに広がってしまうこと。全国に広まった結果、多くのバーダーが集まります。残念ながら全てのかたがマナーが良いとは限りません。餌付けなどの問題もあります。
地元のかたに迷惑がかかるかもしれません。それらの事に責任を負えないのであれば情報は流さないことがいいのではないでしょうか。 きっと誰にも言わないでねという約束をしても情報は流れるでしょう。

また、日本の野鳥会の発展のためにも、貴重な記録はブログや新聞、雑誌などに載せるだけではなくしっかりと正式な記録として後世に残すべきだと学ばせて頂きました。

今回の論文は短報として日本野鳥の会の研究誌「Strix」に掲載されることになりました。いつ頃冊子になるかわかりませんが楽しみです。

今回の出会いが本邦3例目で奄美大島初記録、日本最北の確認例となりました。

ちなみに、実はもうひとつ短報論文を出しているのですが、こちらはまだ査読中でその後連絡がありませんので採用されないかもしれません。
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by atekichi | 2013-02-13 21:40 | 奄美大島